大泉博子の

徒然草

DAILY
日々雑感
  • 2026年がやって来た。100年前の1926年は昭和元年、いよいよ昭和も遠くなりにけり。団塊世代も本格的な老境に入った。ちなみに、明治元年から100年の1968年は、人口が一億人に達し、世界第2位の経済大国になった華々しい年であり、明治は遠くなりにけりを実感した。

    昨年は、昭和百年、戦後八十年と騒がれたが、パラダイムの変換は行われず、好戦的なアメリカとの関係、必ずしも貧乏ではないが育ちが原因する実存的貧困が、良くも悪くも昭和世界を追いやり、新たなパラダイムの登場を予感させた。

    慣例を引き継いでアメリカ一辺倒と財政支出志向の女性総理、政策は支離滅裂なるもパラダイム変換の主役である若者の背中を押す参政党。予測不能で不安のまとわりつく世の中、働き盛りの、老境の、新進気鋭の若者の、すべての憂える者よ、奮い立て! 今年はそれが必要だ。

    •  高市総理の台湾有事発言から、中国が反発し、再びの日中氷河期が訪れようとしている。民主党政権が引き起こした尖閣列島事件以来である。世界を視野に入れれば、カナダもオーストラリアも21世紀、冷え込んだ時期を経験している。いずれの場合でも、相互交流、貿易に障害をもたらし、数年かかって雪解けを始める。その損失は大きい。

       日本の大方の論調は、政府を含め、総理は仮定の話をしただけで、従来の考え方を変えたわけではない、半導体を始め技術的に日本を必要としている中国の方が困るはずだ、中国の不動産不況や若者の失業率など経済の失敗を隠すために日本を敵にしている、日本は筋を通し、発言撤回すべきではない・・・が中心だ。マスコミは,この論調に合ったコメンテーターばかりを前面に出す。

       しかし、本当にそれでよいのか。弱腰外交を見せるなという論調が正しいのならば、トランプ大統領や米軍の日本基地で示した総理の言動は腰砕け外交ではないのか。言うべきことを言う外交が正しいと言うなら、アメリカに「本当に日本を守ってください」と言えなければならないし、中国の尖閣・南沙諸島での侵犯行為だけを言及するのでは、一貫していないのではないか。

       日本は政府とマスコミが一体になった一枚岩の論調でやっていくのだろう。外交のみならず、補正予算に示された経済政策も、相変わらず巨大な国債発行で賄い、項目だけは総なめの重点投資分野を決めたものの、メリハリのない従来型の「責任なき積極投資財政」の呈を免れない。高い支持率で始まり、国民の期待を一応は集めた新内閣だが、中心にいる二人の女性閣僚、即ち、天真爛漫な総理巫女とドスのきいた声の財政巫女が日の本に向って祈るシャーマニズム政治が始まったようにしか見えない。地に足を付けた政治はいつ実現するのか。

       

       

      •  高市総理大臣が就任し、トランプ米大統領との初の首脳会談を行った。マスコミは一斉に「成功」を伝える。高市総理のはしゃぎぶりには少々辟易だが、国民の受け止めも概ね好感だ。米側は日本が今後アメリカに投資する約束の80兆円を最重要課題にして、今回は安保問題を先送りしたようである。2日後に控えた習近平との会談の前哨戦として日米会談を位置付け、中国への刺激を避けたと思われる。

         高市総理は何から何まで安倍カラーを打ち出した。トランプ大統領への土産ですら、安倍さんの使ったパターだった。安倍元総理が第二次安倍政権の発足にあたって、持論の戦後レジームの見直しを封じ、アベノミクスを前面に出したのと同様、先ずは国民が苦しむ物価高対策を含む経済政策にとりかかろうとしている。サナエノミクスならぬニューアベノミクスとさえ言いきって、ここでも安倍氏の継承を強調した。安部政治は閉塞感の強い若者に受け、そのあと三代続いた総理の不発弾の後、安倍の復活は一定の人々の待ち望んだことである。

         アベノミクスに始まってアベノミクスに終わり、結局8年を費やして最大の目標である憲法改正を果たせなかった安倍晋三に代わって、高市早苗は何を成し遂げようとしているのだろうか。高市の船出はどこに向かうのであろうか。プロレスラーのトランプの寵愛を受け、日本の若者の「強い日本」への憧れを背に、右旋回してどんな海原が見えてくるのか、今のところは未知だ。高市総理に祝意を示さなかった習近平との確執あるいは融和が船の方向に大いに関係してくるだろう。今のうちに、どこを目指して出発したのかを明らかにしておく必要がある。中国接近の高波に方向を奪われる可能性を考え、舵を握らねばならない。中国はトランプが想像した昔の中国ではない、外交素人の高市が描く昔の中国ではない。不況の最中にあるとはいえ、経済力も軍事力も十分にアメリカと戦える国なのだ。

         当面の物価高政策、大きな政府志向の財政政策に関しては、今回の閣僚人事で最も評価できる財務大臣の片山さつき(他に評価できるのは茂木俊允外務大臣と鈴木憲和農水大臣)が任を背負うであろう。しかし、自らもモンスターかもしれない片山さつき大臣だが、財務省組織全体のモンスターに単独でかなうとは思われない。付け睫毛を付けている暇があったら、鎧兜を身につけることだ。それは、右から左までのエコノミスト、社会科学者を徹底的に味方につけることだ。そして、野党の政策もどんどん取り入れることだ。まさに、全盛時代の自民党がやってきたのはそれではないか。福祉国家も農業政策も野党のお株を取ってきたではないか。

         どこへ向かう船出なのか、明確にしなければ、今の高揚感はいずれ冷めてしまうぞ。

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