日々雑感

野党の足踏み

 親しくしていた衆議院議員某氏から、民主党を除名されたとの電話があった。昨年末、某氏が離党届を出した時から野党再編の力になるのだろうと察し、筆者は応援メールを送った。だが、某氏は無所属のまま自民党会派に入り、民主党の除名の対象となった。
 そうか、そういう選択もあるのだなと、認識を改めた。某氏は非常に優れた人材であり、いずれ政界の中枢に行くことが期待される。しかし、今のままの民主党では十年先まで政権奪還は無理であり、万年野党では活躍の場がない。
 NHK会長と経営委員にみられる偏向人事に象徴されるように、安倍政権は腰の軽い右翼イデオロギーを明らかにしている。自民党に「そうでない」人材はいないのか。宮沢喜一や加藤紘一の系譜を継ぐ人材はないのか。自民党としてもバランスを欠いているではないか。某氏はそのバランスを求めて意外な選択をしたのかもしれない。
 結の党の江田氏は橋本総理の秘書官だったころ、霞が関では非常に煙たがられた。残念ながら、野党再編は大役者を欠き、立ち行かぬ。大役者となりうるのは、原発ゼロを掲げる小泉純一郎をおいては、ない。「自民党をぶっ壊す」と言い放った本人でもある。
 むろん、格差社会をつくった小泉氏をキャップにすることは、民主党はできない。しかし、民主党の政策課題が今だに「後期高齢者医療制度の廃止、高速道路の無料化、16兆8千億円の無駄遣い捻出・・・」だと知って、5年前に時間が止まってしまったと思うのは筆者だけではあるまい。もっと大きな政治の渦を巻き起こすべきではないか。
 維新の会もみんなの党もお家騒動中だ。その中で、福島県で開かれる民主党の党大会に生活の党の小沢一郎が出席する意向という。小沢氏が野党再編に動き出す模様である。しかし、野党再編を促すのは、足踏み状態の野党ではない。今、強く思う。自民党のリベラルよ、もし存在するなら声をあげてほしい。

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