日々雑感

民主党代表選

民主党代表選を間近に控え、3候補の議論が報道されている。民主党理念が「成長」だけでなく「分配(格差是正)」にあることでは、3人とも温度差はあれ、同じだ。
 しかし、問題はその温度差である。安全保障・経済政策など具体的なテーマに移るにつれ、温度差は大きくなっていく。民主党歴が最も長い岡田氏は、小泉政権以前からの構造改革派で、小泉元首相に先を越された後に、「分配」を対立軸にしてきた感がある。したがって、政府のスリム化や規制緩和などに積極的で、安倍政権に近いとも感じられる。
 細野氏は極めて現実的選択派だ。集団的自衛権も全面否定はしないし、原発も全面否定はしない。爽やかな人柄で党の顔としてはいいが、細野代表の下で「総論賛成、各論反対」の民主党が永遠に続く可能性がある。
 長妻氏は、民主党の旗色をリベラルにするという明確な立場。しかし、もう一方の右派が彼の行く手を阻むことは確実だ。だから、今回は「リベラル忘るなかれ」のメッセージを伝えるための出馬ではないか。
 当初の討論で、岡田氏と細野氏が維新の党との合流を巡ってやりあったために、マスコミやツイッターなどが「またぞろ、民主党お家芸の内部争い」と報じたことは、国民の関心を低下させた。
 民主党の2014年総選挙での比例票は900万。2012年と同じだ。2009年にはその3倍、それ以前も上り坂では2倍もあった。つまり、民主党本来の支持者の半分は諦めてしまったようだ。民主党オンリーの立て直し論で、支持者は戻ってきてもらえるのか。それとも、温度差の激しい議論をまとめるのではなく、二つに分かれたほうが先は明るいのではないか。
 苦しい結婚よりは離婚を選び、趣旨を同じくする新たな相手を選ぶ方が、今の民主党にはふさわしいように思う。お節介かもしれないが。

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