日々雑感
えっ、西武デパートが撤退!
つくば駅前の西武デパート撤退のニュースは、市内の女性の大きな関心を集めた。市町村合併後のつくば市とともに約30年、デパートの存在は、近代都市つくばの一つのシンボルであった。
つくば駅隣の研究学園駅における都市開発が進む中で、つくば駅周辺の客足が減少していることは多くの人が認識していた。しかし、いざ撤退が現実化すると、人々は沿線開発計画に改めて思いを馳せる。このままでよいか。
人々は、科学の街つくば駅周辺と市庁舎のある政治の街研究学園駅周辺がバランスよく発展してほしいと願っている。つくば駅周辺に、かつては多くの研究公務員が住んでいたが、財務省の方針で、国有財産である宿舎は民間への売却を前提に、多くが退去を余儀なくされた。そのことがつくば駅周辺の消費減少をもたらしたことは否めない。
TXが開通したとき、つくばは東京のベッドタウンになることが予測されたが、現在移り住む人は逓減している。このままだと、せっかく世界の料理が食べられるつくばのレストランやJAXAなど科学の展示が日常的に観られる環境が「宝の持ち腐れ」になる可能性もある。美しい並木道と同様に、これまで当たり前に享受していた豊かな居住性が、西武デパートの撤退とともに、脅かされる不安も市民は抱いている。
郊外型量販店の役割は今日では非常に大きいが、他方、高級品のウィンドウショッピングや進物・贈り物の買い物にデパートを志向する人も多い。
日常生活にもさまざまの選択肢のある都市が、住む人の喜びと楽しみを増やし、さらにはそこに住む誇りに繋がっていく。是非、その思いを継続させたい。
つくば市をクラスター(科学産業都市)に育て、雇用を増やし、定住人口を増やす。私は、これまでも、これからも、そのことを主張し続ける。