日々雑感

独裁者を生む構造

 大寒に向かい、この冬一番の寒さの日々が続く。今月20日(アメリカ時間)には、トランプ大統領の就任式が行われる。既に最近の記者会見でCNNと対立する激しいトランプの姿が映し出された。見守る側は、アンチグローバリゼーションを掲げる新大統領の予期せぬ政治に不安を持つ。
 しかし、アメリカは大統領よりも議会の方が強い。法律は全て議会で作られるし、戦争も議会の承認なしに始めることはできない。大統領に与えられた大きな権限は拒否権だけである。トランプの放言がそのまま政策になるとは考えづらい。
 これに対して、議院内閣制をとる日本では、多数与党から選出された総理の権限は大きい。国会では議員立法は数少なく、多くが内閣提出法案である。総理の思うままに政治が行われる。アメリカと比べどちらが独裁者になりやすいかと言えば、日本の方がなりやすいのである。
 今月20日には、国会が始まる。過去に3度も廃案になった共謀罪法案が出される。安倍総理の国家観に基づく法案だから、成立させねば終わらないのであろう。
 日本人は、トランプに関心を持つのもいいが、より独裁者が出やすい日本の政治に着目すべきではないか。特に野党が弱い現状では。

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