おかしなことは誰が変える?
北朝鮮の核放棄宣言は誰もが嘘だと思っている。トランプにとって、今回の米朝交渉は、アメリカのためであり、日本の利益のためではないと誰もが感じている。日米貿易交渉では、安倍さんのトランプに対する「神通力」の終わりを呈した。
内政では森友・加計問題で自らが矢面に立たされている安倍さんの唯一の救いは、野党の再編がうまくいかないことだ。民進・希望の合併から成る国民民主党は、参加拒否が多く出て、立憲民主党に数で及ばず、またまた分裂を繰り返す。
「政治不在」の現今、世の中ではおかしなことが多々起きている。ガン治療は、DNA治療や免疫治療にもっと投資すべきなのに、相変わらずの放射線と抗がん剤治療が中心だ。糖尿病と高血圧の予備軍を「患者」にして取り込み、薬漬けにする。5種類以上の薬を服用していると転倒や死亡の率が高まるとの研究成果も出ているが、無視されている。
旧優生保護法(1996年まで存在)の下で、優生手術(不妊手術)を強要された事実が明るみになった。戦前は、ドイツもアメリカも優生手術をやっていたが、戦後、先進国で行われていたのは日本だけだった。
マスコミは「セクハラ関連専科」を設けたように、財務事務次官の後は文科大臣、そして人気タレントを血祭りに上げる。日本にはこんなニュースしかないのか。
おかしなことは是正されない。本気で政治を、本気で仕事をやるのが馬鹿馬鹿しくなるような、退廃を覚える社会になっているからだ。流れを変える一番の人は安倍さんであるはずだが、まだ力は残っているのか。
話は飛ぶが、ちょうど50年前、東大教養学部に入学した時のクラス会が過日開かれた。1968年、入学して3か月も経たないうちに、医学部紛争に端を発し、全共闘運動に呑み込まれ、東大は全学ストに入った。翌年東大の入試が無くなるという事態にまで発展した。今回20人余り集まった級友たちは、全員があのストで人生を変えた。自分は何者か、人生とは何か、社会とは何か、何をすべきか、20歳に至らぬ前に、毎日考え続け、人生を決めた。大方は当初の目論見とは全く違う方向を選んだ。
筆者自身、研究者志望から、思いもよらぬ官僚の道へと人生を変えた。混沌の中から新たな価値を創造していくのは、やはり若者なのだろう。20歳台の若者が、早く「子供」を辞め、現実的に世の中で何をすべきか決定してほしい。あなた方の決定の集積が新たな日本社会を創造すると信じる。