日々雑感

キングメーカーは米国か長州か

 総裁選は、戦いの構図が新たに出来上がった。米国対長州の戦いである。
 河野太郎は、ジョージタウン大学の出身。アメリカのシンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)はワシントンDCにあるジョージタウン大学の付属機関として創立されたが、今は別組織で外交情報では世界一と言われる。そもそもは、イエズス会ウォルシュ神父の作った学校から発展したもので、ウォルシュ神父は、日本における日米開戦阻止の人脈やGHQマッカサーにつながる人物である。
 アフガン撤退でベトナム戦争の轍を踏んだアメリカにとって、今一番の課題は対中国政策をいかにすべきかである。アメリカは歴史的にどの政権樹立にも関与してきたが、トランプとの仲は良くても必ずしも親米ではない安倍とその継承者菅を排して、真の傀儡政権を作りたい。CSISが動き出すだろう。ジョージタウン大学出身の河野はアメリカにとって打ってつけの人事になりそうだ。
 これに対抗するのが、言うまでもなく「戦後レジームの脱却」を8年も首相をやりながら成し遂げられなかった安倍元首相率いる「長州哲学」の集団だ。アメリカの傀儡になることを避けるため高市早苗を出してきた。高市は、長州哲学を守る皇室の祖「天照大御神」だ。右翼思想に染まっている。稲田朋美が安倍の意思に反してLGBTの人権擁護派に変身したため、高市に白羽の矢が立った。
 長州哲学の番頭である菅を解雇し、今度は高市に化けたご神体を担ぐことになったのである。河野ではまたぞろアメリカ政治の一部にならざるを得ない。
 この総裁選という戦いは、ただの戦いではない。アメリカの影響をぶっ壊すか、神の国を抱いた藩閥政治の歴史をぶっ壊すかの選択でもある。

日々雑感一覧