日々雑感

オホホの自民、トホホの立民

 総選挙の結果は直近各調査の予想どおりで、下手な評論家の思惑予想は当たらなかった。票を減らしたとはいえ予想以上の結果を得た自民。野党候補一本化のため共産党と共闘した立民は、政権交代どころか票を減らす結果になった。つまり、status quo「現状維持」が国民の総意であることが判明した。
 部分的に見れば、国民は、灰色幹事長甘利明、往年の剛腕小沢一郎を小選挙区敗北に追いやった。国民は賢い。岸田首相は、残せば岸田政権の重荷になる甘利氏を国民の手で「切ってもらって」、幸運な人だ。新幹事長には林芳正など自己の派閥から選び、宏池会政治をやってみせよ。
 宏池会創始者の池田勇人は、岸信介前首相の安保問題を封じ、政策を経済に絞って所得倍増をやり遂げた。岸田首相も、「成長と分配」の循環をやり遂げよ。それこそが左すらも納得の宏池会政治ではないか。
 今回、維新を含め改憲派が衆議院の三分の二を占めたが、憲法改正は封じ込めよ。今は、経済に絞ることを池田勇人に学ぶべきである。ただ、封じ込めてはいけないのがモリカケ、サクラの問題だ。官僚の劣化が激しいのは、モリカケに見る忖度政治の故であり、国民の教養水準が上がらないのは、サクラに見るアンチ主知主義集団の存在だ。
 岸田首相は一年前の総裁選で「もう岸田は終った」と落胆したそうだが、失脚の強みは活きる。池田勇人は、全身皮膚病という難病で大蔵省を一旦は辞めたが、戦後の大蔵幹部のパージで、本来なら彼に回ってくるはずもない大蔵大臣のポストを得た。失脚あったからこそ、欲張らず、一つに絞って高度経済成長をやり遂げた。
 岸田首相に期待する。所得を増やし、経済回復をやり遂げることを願う。

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