日々雑感

岸田首相は戦う相手を間違っている

 支持率が下がり、答弁が迷走し、山際大臣の更迭が遅きに失し・・岸田首相はまるで手負いのオオカミのようだ。1993年、宏池会の先輩宮沢喜一元首相が自民党に裏切られ引きずり降ろされたように、岸田首相にも同じことが起こりうる。見識を問わず、どんぐりの背比べの中で首相を選ぶ自民党だからこそだ。
 岸田首相が起死回生するとすれば、むしろその自民党と戦うべきなのだ。安倍一強の自民党が永続するという誤解が、国葬を決意し、保守系をなだめる人事を行い、統一教会問題の泥沼にはまった。
 宏池会創設者の池田勇人のように、岸信介の実は嫌米・右翼政治を封じ込め、経済成長に全身全霊を捧げる政治をやるべきだ。補正予算29.1兆円は、目先の常套手段バラマキばかりが目立ち、大きな柱が見えてこない。さては、所得(投資)倍増も、新しい資本主義も捨てたか。
 岸田首相がやるべきは安倍政治の否定でなければならない。日本が経済成長できないことも、宗教問題も、すべて安倍政治の遺産であり、失政をすべて安倍元首相のせいにして出直すのだ。小泉純一郎が「自民党をぶっ壊す」と言って、首相の座を勝ち取ったことを思い起こせ。
 フルシチョフがスターリンを批判したように、鄧小平が毛沢東を批判したように、高らかに安倍批判を叫び、現今の格差問題と将来人材のための高等教育改革に取り組むべきだ。世襲セレブで学問軽視の安倍政治ではできなかった課題だ。教育を除外したこども家庭庁など要らないから、代わりに老人庁をつくって、高齢者の多くを生産年齢人口側に取り込むこともすべきだ。
 なぜ新たな道を示さずに、相変わらずの小変政治にこだわるのか。なぜ新たな人材を内閣に送りこまず、党内保守系配慮に拘泥するのか。山際大臣も、実は山口大卒で長州政治のバリエーションではなかったか。
 岸田首相よ、安倍の背後霊と戦え。正面の国民は岸田辞めろとささやき、野党を代表して追悼演説した野田元首相は「本当は安倍さんのようになりたかった」を平明で演説上手を活かし訴えた。つまり、野党も安倍の背後霊と戦う力はなく、鼻声でより弱気存在に見えるあなたを代わりに消そうとしている。

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