日々雑感

ミツバチ大量死

 昨日、「ミツバチ大量死は警告する」の著者岡田幹治氏の話を聞く機会を得た。ここ数年、世界的にミツバチが大量死し、その原因は農薬にあって、人間の子供の発達障害の増加にも関係しているという。
 アメリカを中心に疫学調査が行われ、ミツバチの神経系を侵す農薬が指摘されている。人間の発達障害との関係は、まだデータが足りないように思われたが、岡田氏はジャーナリストなので、この点での警告を主たるメッセージとしている。
 水俣病をはじめ、日本は多くの公害問題に奮闘し、その克服に一定の成果を収めてきた。中国の大気汚染など新たな公害の課題が出現する中で、日本の科学と技術の能力を世界に示したいものだ。
 折しも、新たな万能細胞の発見が理化学研究所の若い女性研究者によって世界に発信された。生殖科学も公害の科学も、人間の幸せ追求に欠かせない。成果を出すのに時間がかかっても、科学と技術への投資は国の方向を決める政府の役割である。

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