日々雑感

もはやデフレではない・・・なのか

 来年度予算の方針になる骨太に1956年の経済白書をまねて「もはやデフレではない」の表現が使われた。しかし・・・成長戦略に失望した外国人投資家の引揚げが始まり、株価はもう上がらないの予測が多い。また、前年度に比べ今年度はデフレ予算になっていることと消費税引き上げの効果が第二のデフレを呼ぶという観測もある。拙速な楽観主義はやめた方がよさそうだ。
 特に、成長戦略は行き詰まり、法人税引き下げや女性の活用の義務化など功罪相半ばする政策だけになっている。「デフレは終わったので、安全保障に集中したい」との安倍総理のはやる気持ちは分かるが、安全保障をはやまれば、取り返しのつかないことになろう。
 それにしても、野党は、公明党に議論を任せたまま、内輪もめに終始しているのはなぜか。石原慎太郎氏は「自民に戻りたい」、橋下徹氏は「国政はたくさんだ」、民主党は「分裂しかないか」と言っているに等しい。
 政策はリベラルから保守までさまざまでよい。しかし、実行していくには、保守的な方法をとらねばならない。保守的な方法とは、議論を積み重ね、組織決定をしていく。その当たり前の方法を踏まえ、多数決でコンセンサスを得たら動じないことだ。これができなくて政権の座を奪われたのが民主党だ。職業人としての知識、組織を動かす経験が前提となる「保守的な方法」を知らない選挙上手ばかりの集団では、自民党に勝てない。
 本日、朝日新聞の特別編集委員星浩さんの話を聴く機会を得た。星さんは、アメリカの民主党は、定率税制の否定、堕胎は是、支持者の多様性を選ぶという点で共和党と明確な対立軸を持つと言い、日本の野党は、これに学び、自民との対立軸を明らかにして継続的な支援者を持つべきであると語った。我が意を得たりである。

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