左でも右でもない、真実を
本日、内閣改造が発表された。石破氏との「争い」に圧勝したと言われる安倍首相は、いよいよ長期政権の足固めに入った。曰く、成長戦略実行内閣なのだそうだ。安倍安定政権の布陣であることは間違いないが、およそ変わり映えはしない。
それにしても、野党はどこにいるのか。自民党の尻馬に乗りたい野党ばかりで、健全な抵抗勢力は消えたに等しい。
そもそも左翼は居場所を失っている。なんでも反対の左翼に国民は魅力を感じない。また、左寄りだった朝日新聞の従軍慰安婦記事の捏造は、過去の同紙の文化大革命礼賛記事や、やらせサンゴ礁記事などで明らかになった「シナリオつくり」の体質を露わにした。池上彰氏の記事を没にするような姑息なことをせず、謝罪するは謝罪し、朝日らしく堂々と言論界に戻ってきたらどうか。
他方、現政権を支えるかに見えるネトウヨは、実は若者だけではなく、40代、80代も含まれるそうだ。保守の論理ならば大概受容されるが、右翼は論理でなく感覚的スローガンで動くから、強きものの尻馬に乗りがちだ。俗っぽい言い方だが、真実を突き止めて方向性を決める国でありたい。右とか左とか初めからスタンスを決めてかかるべきではない。
真実と言えば、週刊金曜日が提起したセルシード疑惑は、解明の要がある。STAP細胞に使う製品を持つベンチャー企業セルシードは、小保方論文のネイチャー掲載報道の直後に株価が上昇し10億円を儲けて売り抜けた。
セルシードの研究は、東京女子医大が担当し、小保方氏もセルシードの論文を共著者として書いていた。小保方氏の指導を務めた東京女子医大教授は行方をくらましている。
10億円の金はどこに? 政府の成長戦略の柱だった再生医療の巨額の支援とともに、この金は成長戦略関係者に絡む可能性が大だ。小保方記者会見を機に急上昇した株を売り抜けたのはインサイダー取引であるとネットなどでは書かれている。政治の臭いがしないでもない。STAP細胞が存在しないことを承知で、株価を上げるための芝居だった可能性だって疑われる。
安倍首相が長期政権を考えているなら、安全保障以上に、成長戦略の「真実」を明らかにしてほしい。新内閣が成長戦略実行内閣と名付けられるならば、成長戦略疑惑を残してはいけない。