日々雑感

女性の時代

 7月30日、つくば市内のホテルで、「新しいつくばを作るみんなの会」集いを開催した。約三百人の皆様がご参集くださった。今回は、これまで私が経験した如何なる集いよりも女性が多かった。
 翌日、小池百合子氏が東京都知事選に勝利した。当選確実の発表直後から「女性の時代が来ましたね」という趣旨の電話をたくさん頂いた。
 女性の時代・・・その言葉には、数々の思い出とほろ苦さがある。戦後デモクラシーの申し子として生まれた団塊世代の私は、憲法で保障された男女平等と伝統文化のせめぎ合いの中で人生を送ってきた。
 教育の男女平等は一番先にもたらされたが、職場と家庭での平等は遅れて進んだ。1986年の雇用機会均等法以前に既に職業生活を確立していた我々世代は、幾度となく女性差別を経験している。目くじらを立てては前に進まず、軽くいなしながら職業上の意図を遂げてきた。
 少なくとも現在では、女性が活躍する職場は増えているし、あからさまな不平等は薄まってきたと思う。先人や我々世代の努力によるものだが、多様性の時代に女性も一枚岩ではなくなり、我々の信奉した杓子定規の男女平等は色あせてきた。
 家庭内での平等は、いつの間にか、女性上位の様相である。特に齢を重ねれば、女性の方が身体頑健で、また子供への支配力を持ち、家庭の要となることが多い。
 女性の時代は「かなり」達成された。しかし、一人一人の思いは違うし、国際社会においては、日本はあらゆる指標で男女の不平等が指摘されている。道はこれから、とも感じられる。
 今の若い女性が何を求めているか、我々の時代のように単純に括れないのが事実である。母親、否、祖母世代の我々は、ただただ彼女たちの幸せを願うばかりである。そして、その中から、都知事でもなんでもよい、社会をリードする人も多く輩出してほしい。

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