日々雑感

オペラの夜

 友人の粋な計らいで、昨夜、NHKニューイヤーオペラコンサートに行った。いくつかの有名なオペラから選んだ歌をソリストが唄う。舞台は華やか、熟した歌い手で観客を魅了。中でも「アイーダ」からの二重唱は圧巻だった。
 舞台の両端に設置された電子テロップで、歌詞が日本語で表わされている。愛や死がテーマで内容は日常を超えた激しさだ。西洋人は古典から人間の激しい感情を学ぶ。
 我々は10代で学んだ古典、徒然草や方丈記から無常観を学ぶ。蜻蛉日記や井原西鶴の浮世草子も、最後は、空しさと諦めだ。
 古典が我々の深層心理にどれだけ影響しているかは分からぬが、西洋と比べると、日本人はしつこくない。負けたときには、あっさりと脱帽する癖があるようだ。
 歌劇を聞きながら、そんなことを考えた。

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