日々雑感

子供の躾

 かつて迷惑施設と言えば老人ホームだった。おしめの匂いが近隣に飛んでくるからである。最近では、保育所が迷惑施設になった。ワーワーキャーキャーの子供の声がうるさいからである。政府の方針は待機児童がなくなるまで増やせだから、都会では、地域住民と保育所事業者との間にトラブルが絶えない。
 開園が遅れたり、開園を断念する事業者も出てきた。建設前に地域住民と協議を重ね、「迷惑料」で解決を図る場合もある。住民との和解に弁護士費用もかさむ。こうなってくると、いくら増設を目された施設でも、事業者は二の足を踏むことになろう。
 解決方法としては、立地条件を厳しくし住宅街に開園しないことや、子供たちの躾もあり得る。公共の場で騒いでいるのは日本人の子供で、欧州の子供はおとなしくしている。特に北欧に行くとびっくりするが、子供と犬は公共の場で絶対に騒がない。躾が厳しいのである。犬もスクールに行かせて躾を受けなければ飼えないという。
 オランダのハーグで公園を散歩した時に驚いたのが、人々が大きな犬に紐もつけず連れ歩いていることだ。犬は絶対に他人を襲わない訓練を受けているのだそうだ。
 子供には好きなだけ暴れさせてやりたいとの反論はあるだろうが、飛行機や新幹線の中でいつまでも泣き止まない子供を見るにつけ、親の躾皆無の社会ではないかと感じる。電車の座席の上を靴をはいたまま歩いていても親は咎めない。
 少子社会だからこそ、甘やかさずに躾をして、一人残らず立派な大人にしていくことが親と社会の役目である。

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