日々雑感
中村修二先生、意気軒昂
2014年青色LEDの発明でノーベル物理学賞を受賞した中村修二先生の熱弁をお聞きした。それはそれは迫力あるレクチャーで、LEDがエネルギー資源の節約になるばかりではなく、熱を出さないメリットを活かしての農産物の栽培、近眼治療など健康への応用、開発途上国の教育への貢献に大いに活用されている事実を知った。
にもかかわらず、日本では、アメリカに比べLEDの応用と普及が遅れている。日本人の科学者が先鞭をつけた発明に、日本はもっと強欲になるべきだろう。
そして気になるのが、中村先生自身が話す「異分子を嫌う日本」の問題。先生は怒りが研究のエネルギーだと言う。文科省もマスコミも先生を科学者としてよりも「技術者」「商品開発者」として紹介する傾向を私も知っている。しかし、先生はまことに科学者だ。真実の地平線を見ながらそれに近づく姿勢を私は間近に見た。精悍な顔ときびきび動く肢体、ユーモアとロジックの明快さ。次のノーベル賞もありうる。
日本はこういう科学者を大切にすべきだ。東大や京大の出身でなければダメ、ネイチャー等に投稿していなければダメというような基準は、最近のノーベル賞受賞者を見ても合わなくなっている。また、ネイチャーに華々しくデビューしたスタップ細胞事件も記憶に生々しい。
私は、中村先生を応援し続ける。