日々雑感

21世紀の覇者は?

国際情勢を語るとき、バックグラウンドによって視点が甚だしく異なる。商社マンは生死を賭けた取引を語り、外交官はパーティー外交の積み重ねで教養を語り、学者は自説に拘泥しつつ語る。
 昨日お話を伺ったのは、荊木顕治さん。トヨタ自動車の海外拠点づくりエクスパートであり、ビジネスマンの視点だ。荊木さんの視点はすごい。21世紀のエネルギー革命は中国とイギリスが担うと主張する。
 ロックフェラーによって石油大量消費経済がもたらされ、米国が支配してきた世界は終わり、中国がスマートグリッドと衛星測位システムを使ってユーラシア大陸において、イギリスが同様に旧英連邦コモンウェルス諸国において、電力市場と二酸化炭素排出権市場を支配すると言う。両国で世界人口の8割を制するとのこと。中国は共産政府が、イギリスはロスチャイルドが担い手となり、その実行は始まっている。
 トランプ米国は独自に電気自動車への切り替えとメキシコ境界の壁にソーラーパネルをとりつける事業を始めようとしているとのこと。これらは、荊木さんの情報網によって得た国際情勢であり、もちろん、今のところ分からない。荊木さんの話を端折ってここに書いたが、マスコミの当たり前の情報でなく、現地でビジネスの先端を担って来た人の話として、興味津々である。
 日本は、感情的に中国を過小評価しがちである。それよりもまずいのは、日本が日本を過大評価していることである。日本はさまざまの分野で順位を落としている。その自覚を持って、国際競争の場で生き残らねばならぬ。日本のエネルギー政策は最も曖昧なエネルギーミックスに留まっているではないか。
 荊木氏の話とテーマは異なるが、日本の順位が際立って低い「女性の経済的活躍」の討論が国連で始まる。明日ニューヨークに向かうので、10日ほどこの欄をお休みする。

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