日々雑感
朝鮮戦争は終わっていない
トランプ大統領のシリア攻撃は世界を驚かせた。アサド政権を支援するロシアやシリア介入に反対してきた中国を尻目に、トランプは「化学兵器の使用は許せぬ」と「正当な理由」を掲げた。
トランプバッシングを続けるアメリカ内外のマスコミは「内政がうまくいかないから軍事でやるつもりだ」と揶揄するが、それほど単純ではあるまい。トランプは確信の人だ。20世紀から続いてきたグローバリゼーションも、環境主義も、市民主義も、フェミニズムも、アメリカ・ファーストに座を奪われた。
シリアの次は北朝鮮か、とにわかに日本の政府もマスコミも警戒し始めている。慰安婦像の問題で帰国していた駐韓大使は韓国に戻った。すわ、北朝鮮との戦いかと怪訝に思われても仕方あるまい。韓国大統領は弾劾されて空席だから、北朝鮮にとってチャンスだ。
明らかに、世界の情勢は変わり始めている。ピケティが提唱した格差是正のための富裕税は受け入れられず、国連が提唱する2030年までの貧困撲滅の道筋も見えてこない。日本は、人口減少と超高齢社会の中で経済の低成長率に悩む。戦争は時機を選ばない。価値観の変動やデモクラシーの低迷の中で、日本は内向きの姿勢を改め、平和構築に貢献できるか。
ひとつ、重要なことがある。1953年に休戦した朝鮮戦争は、アメリカと北朝鮮の間で平和条約は締結されていない、つまり、休戦状態のままだ。アメリカに参戦する理由が残っていることは認識したい。