日々雑感

雑談の日

昨日、ある法人の会合で、仕事の後は雑談に花が咲いた。何せ、話題に事欠かないこの頃である。人工知能から、豊田真由子議員の暴言問題まで、語るに尽きない。
 人工知能は、過日、科学会合でもテーマになったが、私は、持論の「労働を悪徳と見たギリシア時代に戻って、人工知能を奴隷にし、人間は遊んで暮らす時代が来る」と主張したが、今回も賛同は得られなかった。
 豊田議員は厚労省の後輩。残念ながら個人的には知らない。自民返り咲きの機を見て公募し、政治家に転向した野心ある人のようだが、残念なのは、せめて管理職を経験してから出馬すればよかったと思われる。彼女の地だけが出て、プロフェッショナルな部分は発揮されないまま終わる。
 生まれて初めての挫折に、今、彼女は急性の鬱病で入院している。偽メール国会質問で失脚し後に自殺した永田寿康、証券取引法違反で自殺した新井将敬、絆創膏大臣で失脚した赤城徳彦、酩酊大臣中川昭一などの事件が思い出される。彼等も皆鬱病になり、立ち直れなかった。
 豊田さんは若いのだから、あっさり議員を辞め、英語を活かし外資系会社などで、プロフェッションを一からやり直せ。残念ながら役人としては完成していない、だから、部下の扱いを知らぬまま政界に出てきてしまった。菅直人は総理になっても市民政治家のままで、人を使えなかった。野田佳彦は総理になっても、単なる選挙上手で、人を使えなかった。人の上に立とうとするなら、プロフェッションを学ぶべきだ。
 さて。ひとしきりの雑談の後、帰り道を一緒にした70歳代の男性が、今回限りで退任し、これからは、自分のコンサートに集中すると言う。聞けば、60歳を過ぎてからカルチュアセンターでカンツオーネ、ドイツリート、シャンソンを習い、今は、コンサートに出ているとのこと。子供のころ、アマチュア声楽の大会で優勝し、音大の先生から、音大に進学するように言われたが、経済的に叶わず、サラリーマン生活が終わってから本格的に声楽を始めた。
 素晴らしい、羨ましい。私は、ドイツリートを習っているが、実は、世の中にあるほとんどの歌の歌詞やメロデイーが気持ちに合わず、歌いたい歌がきわめて少ないことに気付いた。森羅万象を愛で、惚れた腫れたの歌は嫌いだ。別れの歌だけを好む。
 歌一つでも、人間の生き様と哲学に関わっていることを知った。先ずは、彼のコンサートに行くことを約して別れた。 

日々雑感一覧