日々雑感

勉強法

   「都議選台風」一過、いよいよ怖いもの知らずの安倍さんが下流に流される日が始まった。本来の課題アベノミクスや加計・森友の斡旋政治、さらに憲法違反の防衛大臣よりも、今マスコミ受けしているのが豊田真由子さん問題だ。豊田さんは3姉妹の次女で、姉は医者、妹は弁護士、3人とも東大卒だと言う。頭の良い家系だ。
 似た名前の山口真由さんは、東大法学部首席、財務省入省の後、弁護士。ハーバードロウスクール最優秀という、なんとまあ頭のいい人だ。両親ともに医者で家系も優秀。山口さんが書いた勉強法の本を読んでみた。若干32歳で、感心するのは、その「努力する性格」。東大に入ったら、周囲は遊び始めて競争相手がいなくなったと嘆いた。彼女だけはますます目標に向かって恐るべき勉強を続けたのだ。
 内容は、驚くべきものではない。同じ本を7回読めば無理なく頭に入ると主張している。確かに、多くの若者は、赤や黄色やらのマーカーで本に塗り絵することに専念しているが、彼女はさらさら読むことの方が時間も節約できると言う。マークしておいて後で覚えようはダメだ、と。
 山口さんの勉強法は正しいと思う。試験はインプットの仕方が大切だ。私は7回も読むことはなく、せいぜい3回程度だが、それは山口さんのように鬼気迫る努力を維持できなかったからだ。凡人だから、同じ本に飽きてしまうのだ。飽きなかったのは、55歳の時にオーストラリア国立大学で国際関係論修士を取得した時の勉強だけだ。2回の国政選挙敗北のあと、どうしても勉強したくて赴いたときのことだ。英語だから読むスピードが遅く、飽きるどころか、一回読み終わるのが精いっぱいの日々だった。
 海馬機能が衰え、記憶のストックや記銘力に危うさを覚える年齢になった。しかし、正しい勉強法を続ければ、死ぬまでの日々の豊かさを保てよう。そこで、老婆心からひとつ提言。大秀才の山口さんや豊田さんに共通なのは、インプットの勉強は得意でも、社会へのアウトプットは覚束ない。山口さんの本は分かり易いが、面白くはない。豊田さんは、大衆迎合の議員職に向かない。大秀才は、失敗を重ね、「勉強のできない」多くの人の言い分を聞き、自分の欠点を人前で言えるようになって初めてアウトプットでも成功するだろう。
 だが、私の通ってきた道は大秀才が山ほどいたけれども、かつての大秀才で「世間的に」成功した人は殆どいない。大秀才が肝に銘ずべき点だ。

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