日々雑感

新政党はあるのか

 ここ数日の間に、小沢一郎氏の会に出席し、菅直人氏に偶然出会った。話の内容は控えるが、政局の人小沢氏や市民課題的政策の人菅氏は、安倍首相の活躍の遠い背景に存在している。
 自民党に投票する人が1800万、野党全てを足すとその数を超える。2009年、投票率が70%以上に上がって、新たな2000万票が民主党に加担し政権交代を実現した。今、その2000万は動かない。
 民主党惨敗の後、維新の党が勢いを得たこともあったが、元党首の橋下徹が近著の中で「維新はもうだめ」と書いているように、地域政党のまま低迷している。小池百合子の希望の党も飛ぶ鳥の勢いから、党首の排除の論発言により一気に落下した。
 野党連合は困難だ。自分の党の比例票をいかに稼ぐかが優先であり、たとえ連合して選挙で勝ったとしても、連立はすぐに崩壊することが国民の目に見えている。だから、橋下氏や小池氏のように、新たな政党を作らねば2000万は食指を動かさない。
 橋下氏が近著で「自民を消極選択する国民が真に望む政策の旗を挙げて、組織を作れ」は自民以外の万年野党となった残滓への唯一かつ適切な助言だ。しかし、なぜ彼自身は政治を引退して外野から発言しているのか不明だ。大阪都構想が受容されなかったからというのでは、新しい政党は政策ごとに現れては消え、を繰り返すことになる。
 橋下氏は雄弁だが、書にしたとき、勇み足であり系統だっていない。処々で書いた短文を組み合わせた結果、読者を納得させる論理が欠如してしまったのかもしれない。しかも、隗より始めよの諺は彼のためにある。
 安倍首相はトランプに引き続き、習近平とも蜜月を演じ始めた。外交での活躍は中曽根元首相以来かもしれない。中曽根氏は外交成果を自賛しつつ、国内では公社民営化や教育への情熱を燃やした。安倍首相は、憲法改正を言う前に、国内課題に情熱を傾けてほしい。少子化も、アベノミクスも、イノベーションも、財政再建も危うさが目立っている。
 いかに野党が脆弱であったとしても、もしかしたら、意表を突く新たな政党が全く現れないとは言えない。2000万を動かす力を国民は期待している。ただ、余計なことを言えば、新たな動きには、旧民主党の面々は外し、新たな人々でつくるべきだ。でなければ、自民党には敵うまい。

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