日々雑感
コロナが起こした格差拡大
争いは人を変える。病気は人を変える。そのアナロジーは、戦争は社会を変え、疫病は社会を変える。否、変えざるを得ない。
コロナが変えたもの。先ずは経済の縮小だ。そして格差の拡大である。テレワークをしつつ収入が保障される正規雇用と職を失うに至る非正規雇用の大きな差を生んだ。家族関係は、親密が虐待を生み、子育ては通学や社会化なしに行うのは難しいことが分かった。さらに、日本のクラスターは娯楽に偏り、地域文化的よりも刹那的クラスターが多い国になっていた。もう一つ、首長の活躍が従前になく目に見えた。
コロナが変えなかったもの。解除後の株の回復の速さである。人々はいち早く経済回復に期待し、コロナ何者ぞという意識だ。全員がマスクするのは、公衆衛生意識の高さが変わっていないことを表す。命か経済かは、命も大切だが、やはり経済あっての日本という政治も変わらない。
消費デフレが続くのか、補正予算や金融緩和で余った金がハイパーインフレを起こすのか両説がせめぎあう中で、格差拡大だけは確実に認識されている。正規雇用の中産階級は、経済成長時代は社会の大半を占めていたが、今や縮小し、多くの人が非正規雇用で、子供を抱えて一層貧しくなったり、独身あるいはLGBTのような新しい生き方で、昔ながらの典型的な生き方をしない人々が増えた。非典型の人ほど、コロナをきっかけに経済的困難や、不条理な偏見に襲われる。
コロナで顕在化した、典型と典型以外の格差拡大に取り組まねばなるまい。典型であれ、非典型であれ、選択肢の多い制度的保障で、この国が持続するように、かつ人口も維持できるように、ポストコロナの社会政策が必至である。