日々雑感
ポツダム宣言受諾せよ
ワシントンポストが5月7日、東京五輪は開催すべきではない、IOCの利益のためにバッハ会長は日本の開催を煽るが、日本は乗るべきではないと警告をした。先月、ニューヨークタイムスも同様の発信をしている。
アメリカの代表紙が日本に最後通牒を通告しているようなものだと真剣に受け止めねばならない。五輪を優先せんがために、今回の緊急事態宣言も短期で終わらそうとし、結果的に再延長するはめになった。日本の希望的観測は見事に外れたばかりか、かつての悪夢を蘇らせる。
かつての悪夢とは、ポツダム宣言受託の遅れである。ソ連は既に対日参戦を決めていたにもかかわらず、ソ連の仲介を期待し、また国体護持が保障されなければ受託はまかりならぬと逡巡し続けたのである。結果は、二発の原爆を落とされることになった。無意味な遅れが大きすぎる犠牲を生んだ。
新型コロナの第4波は眼前に存在している。五輪開催が日本の健康と経済回復を壊滅させるのは火を見るよりも明らかである。それどころか、国内のみならず世界にウィルスを飛び火させる可能性も大きく、気候変動と同様、世界における科学的取り組みの努力を空しくする可能性が大である。インドの惨状をテレビの画像を見て遠すぎる対岸の火事と見る知性の低さに、国際的批判も免れまい。
世論は7割が開催反対であり、自民党の中でも反対の声を上げる者が出てきた。五輪担当大臣が都知事を公然と批判するような手法の幼さも看過できないし、国の大事を任すことはできない。何よりも、苦労人を喧伝するも学問をおろそかにする一国のリーダーは恐るべしだ。
ポツダム宣言を受諾せよ。党内でこの動きをリードした者こそ、次のリーダーとなろう。