日々雑感

祭りの後

 オリンピックは今日幕を閉じる。アスリートの麗姿と言葉に人々は感動するが、当のアスリートも人々も一貫して「手放しで喜べない」祭典だった。
 コロナ感染はうなぎ上り、政府は自宅療養を基本とする、先進国では考えられない「医療放棄」を祭りの陰に隠れてやってのけた。オリンピックの後に残されたものは何か。無観客や企業の需要喚起ができない祭典の最中、緊急事態宣言が再再度発され、消費は落ち込み、祭典自体の赤字4兆円と報道される。まるで負け選挙の後の事務所みたいなのが今の日本だ。
 1964年の東京オリンピックでは、東京タワー、東名高速、新幹線と経済成長の象徴が立ち並ぶようになり、オリンピック後の1968年に、人口は1億を超え、経済大国世界2位に躍り出た。1973年オイルショックまで、高度経済成長はめらめらと燃え上がる火の如く持続した。まさに勝ち選挙の後のようであった。
 さあ、日本はどうする。今回のオリンピックは、世界に、当のオリンピック関係者の辞任・解任に伴い「収賄、女性蔑視、人権無視」の国であることを印象付けた。オリンピックは、日本の国際社会での地位を下げ、国内では消費需要を下げ、「祖父母時代の東京オリンピック」とは明暗を分ける結果となった。下り坂の加速化だ。
 この後に来るのは、オリンピックも含めた政治の決算だ。広島原爆投下の日式典で挨拶を読み飛ばした菅首相は、日本を憂えないリーダーにしか見えない。自民党は党首の首を変えて選挙をするだろうか。自民党よ、二度と野党の立場に落ちたくないなら、自民に矢を引く林芳正を総理にせよ。その際、モリカケや右往左往のコロナ対策やらの芥(あくた)をみな吐き出せ。新たな政治に向かうのだ。野党も、連合との腐れ縁や「モゴモゴ」意味不明の党首を捨て、党を捨て、林を応援するのだ。
 林は総理になることを前提に旗を掲げよ。旗にはたくさんのことを書くべからず。消費回復、女性の経済的独立、科学に基づく感染症対策、人口問題。それだけで日本は回復する。国だけではない、地方も然りだ。地方創生も究極は人口問題だということ。SDGもスマートシティも小さな手段だ。まともに人口問題に取り組め。
 ちなみに、筆者は人口問題=少子化政策オンリーで日本のレジリエンス(回復)に微力を投ずるつもりだ。

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