日々雑感
道化師を送らないでくれ
かつてフランク・シナトラが歌った”Send in the clowns”は、もの悲しく訴えかけるような曲で、「道化師を送れ」の歌詞の意味するところは俄かには分らない。ある解説によれば、この歌詞は、ミュージカルの曲の一部で、女性が昔の愛人とのヨリを戻さんと訴えたセリフに含まれる。座が白けたときに道化師を送ってと哀願しているそうだが、ミュージカル本体を知らぬ筆者にはそこまでしかわからない。
さて。座が白けたが、送ってほしくない道化師が二人いる。本日禁固5年の実刑判決が下された池袋暴走事件の被告人・元工業技術院院長に対しては、被害者のご遺族が言うように、上訴してほしくない。上訴すれば、立派な経歴がひっくり返って道化師になるだけだ。過失とはいえ罪の重大さを鑑みるとき、被告人には、これからの日々を全身全霊で被害者の供養に捧げてほしい。
もう一人の送ってならぬ道化師は、菅総理である。政権浮揚のため党人事を改造するなどしても、ますます座は白けるばかりだ。コロナ対策も経済対策も失政は明らかであり、上り詰めたその地位に固執すれば道化師となろう。
政治とは「怒り」である。政治の情熱も行動も怒りあってこそ存在する。国民は怒っている。かつてないほどに怒っている。ごまかしの道化師はいらない。総裁選は岸田文雄が無投票で勝ってこそ自民党は与党を続けることができよう。道化師を送らずに済む。
Don’t send in the clowns.