日々雑感

呪いのオリンピック

1940年、開催予定だった東京オリンピックは、日中戦争が勃発し戦争遂行のため、また、欧米からの圧力もあって開催は返上された。
1964年、東京オリンピックが終わると、池田勇人総理は、がんを宣告され辞任。高度経済成長の立役者池田は、世界に日本の成長を見せつけて、翌年逝去した。
1972年、札幌冬季オリンピックの後は、沖縄返還を花道に長期政権の佐藤総理が辞任した。新聞記者を辞任会見から外したエピソードがあり不人気の首相だった。翌年、世界のオイルショックが始まり、高度経済成長の終焉を予告するオリンピックだった。
1998年、長野冬季オリンピックを終えたその年、消費税引き上げにより参議院選挙で大敗した責任を取って、橋本龍太郎総理は辞任した。
2021年、世論では開催反対の方が多かったコロナ禍での東京オリンピックが終わると、待っていたのは、菅総理の辞任である。歴史をみれば、あたかもオリンピックが政治に呪いをかけているみたいではないか。
 人々はスポーツのにわか英雄に夢を見るが、夢が覚めれば現実のひどさに驚く。今回は、コロナはますます広がっていたのである。夢と現実のギャップに人々は憤り、まるで呪いをかけたかのように、オリンピックの主導者を潰す結果となるのである。
 国民を巻き込んだ宴の後は、ひとえに国民に目を向けた堅実な政治が求められる。

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