日々雑感
若者の力でルビコン川を渡った
参院選の結果は、与党の死、野党第一党の慢性病による死の床を意味する。新たに、参政党が生まれ、兄貴に当たる国民民主と共に新たな政治の産声を上げた。
参政党は、いかんせん、粗削りで危険思想も含む。しかし、筆者はここ数年、党首神谷宗幣のユーチューブを観てきて、異色の講師が多く、マスコミの万年議論を打ち砕く面白さを感じてきた。奇をてらう面が多いものの、昨今保守化した若者の心をとらえ地域に根差した活動は、2009年に躍り出た民主党政権の脆弱さよりは、はるかに将来性があると感じられる。
減税を「手取りをふやす」と見事に言い換えた元大蔵官僚の国民民主党の党首玉木雄一郎は、もっと安定感があるが、参政党は玉木に学び、もっと国の仕組みを熟知した政策に取り組めば、頓死した与党と瀕死の野党第一党の代わりを務めることができよう。
何よりも、若者が今回の現象をもたらした。SNSで拡散された嘘も含めた情報が若者の不満を爆発させ、行動させた。従来の政治構造は朽ちながらも突っ立っていたが、若者らしい腕っぷしで倒壊させた。
旧弊が崩壊しただけで、これから何が建築されるか分からないし、楽観はできない。しかし、21世紀の人間は、民主党の否定、アベノミクスの否定、グローバリゼーションの否定を出発点にしていることは明らかだ。